BtoBで電話がつながりやすい時間帯と曜日の考え方|仮説の立て方と検証方法
この記事の要点
- BtoBで電話がつながりやすい時間帯は、業種・職種・企業規模によって異なるため、一般論の「◯時台が良い」をそのまま当てはめるより、自社の架電記録で検証するほうが確実です。
- 時間帯の仮説は「相手が席にいて、かつ手が空きやすいのはいつか」を、職種ごとの1日・1週間・1か月の業務の流れから考えると立てやすくなります。
- 検証では、架電日時と結果を同じ区分で記録し、同じ条件のリストで時間帯別に比べることで、リストやトークの差と混ざらずに判断できます。
結論:「正解の時間帯」はなく、仮説と検証で決める
「BtoBの電話は何時にかければつながりやすいのか」という質問に対して、どの会社にも当てはまる正解はありません。相手の職種と業務の流れから仮説を立て、自社の架電記録で時間帯・曜日ごとに比べて決めるのが最も確実な方法です。
インターネット上には「◯時台がつながりやすい」といった情報も見かけますが、その数字がどんな業種・職種・リストで測られたものかが分からなければ、自社にそのまま当てはまるとは限りません。製造業の工場長と、ITベンチャーの人事担当者と、店舗を持つ小売業の経営者とでは、席にいる時間も、電話に出られる時間もまったく違います。
また、時間帯の良し悪しは「電話がつながるか」だけでは決まりません。つながっても相手が慌ただしい時間帯であれば、用件を聞いてもらえず、結局は再架電になります。本記事では、つながりやすさと話を聞いてもらいやすさの両方を考えながら、時間帯・曜日の仮説を立て、自社のデータで確かめていく手順を紹介します。
時間帯を決める問いは「何時が良いか」ではなく「この相手は、いつ席にいて、いつ手が空きやすいか」です。問いを変えると、仮説が立てやすくなります。
時間帯を考えるための3つの視点
仮説を立てるときは、相手の業務を「1日」「1週間」「1か月(年間)」の3つの単位で考えます。
1日の流れ
始業直後は朝礼やメール処理、昼前後は会議や外出、夕方は日報や翌日の準備など、多くの職場には1日の業務の山と谷があります。ただし、その形は職種によって異なります。外回りが多い営業職は朝と夕方に席にいやすく、工場や店舗の責任者は現場の稼働状況に合わせて動きます。
1週間の流れ
週の始めは会議や週次の計画、週の終わりは締めの作業が入りやすいなど、曜日による違いもあります。定例会議の曜日が決まっている部署も多いため、担当者と話せたときに「普段、比較的お時間が取りやすいのは何曜日ですか」と聞いておくと、次回以降の精度が上がります。
1か月・年間の流れ
経理部門なら月末月初の締め、人事部門なら採用の繁忙期や評価の時期、小売業なら繁忙シーズンなど、月単位・年単位の山があります。この時期は電話がつながっても話を聞く余裕がないことが多いため、架電の優先度を下げる判断も必要です。
職種別に仮説を立てる例
次の表は、仮説を立てるときの考え方の例です。数値ではなく「なぜその時間帯を試すのか」という理由を書いておくことがポイントです。実際の結果は、自社のリストで検証して判断してください。
| 相手の職種・立場 | 業務の特徴 | 試してみる時間帯の仮説 | 避けたい時期の仮説 |
|---|---|---|---|
| 経営者(中小企業) | 日中は商談や現場対応で外出が多い | 始業直後、終業前の夕方 | 決算前後 |
| 人事・採用担当 | 面接や面談が日中に入りやすい | 面接が入りにくい午前の早い時間、夕方 | 採用の繁忙期、評価面談の時期 |
| 経理・総務担当 | 締め作業が月末月初に集中 | 月の中旬の日中 | 月末月初 |
| 情報システム担当 | 社内問い合わせ対応や定例作業が中心 | 社内の問い合わせが落ち着く時間帯 | システム更新やリリースの時期 |
| 店舗・工場の責任者 | 現場の稼働に合わせて動く | 営業時間・稼働時間の前後 | 繁忙シーズン |
このように仮説を整理しておくと、架電担当が複数いる場合でも「なぜこの時間にこのリストをかけるのか」を共有でき、検証結果の解釈もそろいます。
検証のための記録項目と比べ方
時間帯の検証で大切なのは、同じ基準で記録し、条件をそろえて比べることです。次の手順で進めます。
- 記録項目をそろえる:架電日時(曜日・時間帯)、リストの区分(業種・規模・ランク)、結果区分(不在、受付で断り、担当者と会話、アポなど)を全件で記録します。
- 時間帯の区切りを決める:1時間単位など、比べる単位を先に決めておきます。細かく区切りすぎると、各時間帯の件数が少なくなり判断できません。
- 同じ条件のリストで比べる:午前は接点ありのリスト、午後は接点なしのリスト、という分け方をすると、時間帯ではなくリストの差が出てしまいます。同じリストを時間帯に分散してかけるようにします。
- 「担当者と会話できた割合」を主に見る:時間帯の影響を最も受けるのは、担当者につながるかどうかです。アポの割合はトークや提案内容の影響も受けるため、時間帯の検証では会話できたかどうかを中心に見ます。
- 一定期間続けてから判断する:数日分の結果では偶然の影響が大きいため、ある程度の件数がたまってから傾向を見ます。
集計は、次のような形の表にまとめると比較しやすくなります。数値は自社の記録から入れてください。
| 時間帯 | 架電件数 | 担当者と会話 | 再架電の約束 | アポ | 気づいたこと |
|---|---|---|---|---|---|
| 9時台 | 自社の記録 | 自社の記録 | 自社の記録 | 自社の記録 | 例:朝礼後は受付で不在が多い |
| 10時台 | 自社の記録 | 自社の記録 | 自社の記録 | 自社の記録 | 例:人事担当は面接で不在が多い |
| (以下、同じ単位で続ける) |
「気づいたこと」の欄には、受付で言われた不在理由などを書いておくと、数字だけでは分からない背景が見えてきます。業種別・職種別に同じ表を作れば、リストごとに架電時間を変える判断もしやすくなります。
「担当者と会話できた割合」が高い時間帯でも、話を聞く余裕がない時間帯であれば、アポにはつながりにくくなります。会話の長さや、会話後の結果も合わせて確認すると判断を誤りにくくなります。
再架電の時間は相手に決めてもらう
時間帯の検証と同じくらい効果があるのが、再架電の時間を相手に決めてもらうことです。受付で不在と言われたときや、担当者が忙しそうなときに、次の電話の時間を具体的に聞いておけば、つながる可能性は一般論の時間帯よりも高くなります。
受付で不在と言われたとき
「承知しました。◯◯様は、普段は何時ごろお席にいらっしゃることが多いでしょうか。その時間に改めてお電話いたします。」
担当者が忙しそうなとき
「お忙しいところ失礼しました。改めて2分ほどお時間をいただきたいのですが、明日の午前と午後では、どちらがご都合よろしいでしょうか。」
月末など繁忙期だと分かったとき
「月末でお忙しい時期でしたね。失礼しました。来月の中旬ごろに改めてご連絡してもよろしいでしょうか。」
聞き出した時間は、必ず架電記録の次回予定日時に入れておきます。約束した時間に電話がかかってくると、相手は「話を覚えていてくれた」と感じ、会話も始めやすくなります。
時間帯の工夫が効かないときに見直すこと
時間帯や曜日を変えても担当者につながらない場合は、時間以外の要因を疑います。
- リストの電話番号が適切か:代表番号から担当部署が遠い会社では、時間を変えても取り次がれにくいことがあります。部署の直通番号や、問い合わせ窓口の有無を確認します。
- 受付での名乗り方:受付で取り次ぎを断られている場合は、時間帯ではなく受付対応のトークを見直す必要があります。
- 働き方の変化:在宅勤務や外出が多い会社では、代表電話では担当者につながりにくいことがあります。メールや問い合わせフォームなど、電話以外の接点も組み合わせて考えます。
時間帯の調整は、リスト・トーク・チャネルを整えたうえで効いてくる「最後の微調整」と位置付けると、優先順位を誤りにくくなります。
外部に任せる場合の考え方
時間帯の検証は、記録のルールをそろえ、一定期間続けて初めて結果が見えてきます。外部に架電を任せる場合は、時間帯別の結果をどの単位で報告してもらえるか、架電時間を検証結果に合わせて調整できるかを確認しておくとよいでしょう。
株式会社リクエッジの架電実行は時間契約(目安として3,500円〜/時間・月40時間〜、税別・個別見積り)のため、検証にもとづいて架電する時間帯を調整しやすい形になっています。
よくある質問
昼休みの時間帯に電話をかけるのは避けるべきですか?
一般的には休憩中の電話は好まれないため、避けるのが無難です。ただし、業種や職種によって休憩時間はさまざまなので、相手の働き方を踏まえて判断し、自社の記録で確認するのが確実です。
月曜日や金曜日はつながりにくいのでしょうか?
曜日による傾向は、会議や締め作業のタイミングによって会社ごとに異なります。一般論で決めつけず、同じリストを曜日に分散してかけ、担当者と会話できた割合を比べて判断することをおすすめします。
始業前や終業後に電話をかけてもよいですか?
相手が出られる状態であればつながることもありますが、業務時間外の電話は迷惑と受け取られるおそれがあります。相手から指定された場合を除き、基本は相手の業務時間内に架電するのがよいでしょう。
時間帯の検証はどのくらいの期間続ければよいですか?
必要な期間は、1日の架電件数やリストの規模によって変わります。各時間帯にある程度の件数がたまるまで続け、偶然の偏りではないと判断できる段階で、架電計画に反映するのが現実的です。