展示会リードのフォロー

展示会後は何日以内に連絡すべき?初動の早さが大切な理由と進め方

執筆:山崎 陸(株式会社リクエッジ 代表取締役) ・ 公開

この記事の要点

  • 展示会後の連絡は、会期直後の関心が高いうちに行うのが原則です。お礼メールは会期中〜翌営業日、有望なリードへの架電は数営業日以内を目安にします。
  • 初動が遅れるよくある原因は、会期後に段取りを決め始めることです。ランク基準、文面、担当、商談枠を会期前に用意しておけば、会期直後から動けます。
  • 連絡が遅れてしまっても諦める必要はありません。ブースでの接点を具体的に伝え、遅れたことに簡潔に触れたうえで連絡すれば、十分に話を聞いていただけます。

結論:目安は「お礼メールは翌営業日まで、有望リードの架電は数営業日以内」

展示会後の連絡は早ければ早いほど有利です。実務上の目安としては、次のスケジュールをおすすめします。

タイミング行うこと対象
会期中(各日の終わり)名刺のデータ化、ランクの仮付け全員
会期中〜翌営業日お礼メールの送付連絡停止希望者などを除く全員
会期後、数営業日以内架電と商談日程の打診Aランク
会期後、1〜2週間程度架電と課題・時期のヒアリングBランク
その後情報提供の継続、反応があった人への個別連絡C・Dランクなど

この日数は、統計に基づく「正解」ではなく、関心が冷めないうちに動くための実務上の目安です。商材や展示会の性質によって調整して構いません。大切なのは日数そのものより、会期前に「何日までに誰が何をするか」を決め、その通りに動くことです。

なぜ初動の早さが大切なのか

展示会後の連絡を急ぐべき理由は、来場者側の状況を想像するとわかりやすくなります。

1. 関心は会期直後が最も高い

来場者は、何らかの課題や情報収集の目的を持って会場に来ています。ブースで話を聞いた直後は、その課題を意識している状態です。しかし会社に戻れば、留守中に溜まった仕事が待っています。日が経つにつれて、展示会で感じた課題意識は日常業務に押し流されていきます。

2. ブースでの会話を覚えているうちに話せる

来場者は1日に多くのブースを回ります。会期直後であれば「あのとき画面を見せてもらった会社ですね」と思い出してもらえますが、時間が経つと、どのブースで何を聞いたかは混ざってしまいます。そうなると、こちらの電話は「展示会に来ていた会社からの、よくある営業電話」と同じ扱いになります。

3. 他社も同じ来場者に連絡している

同じ展示会には、同じテーマの製品を扱う企業が複数出展していることが多くあります。来場者が複数社のブースを回っていれば、各社から連絡が届きます。先に具体的な提案をした会社が、比較の基準をつくる立場になりやすいのは自然なことです。

4. 「後日ご連絡します」の約束を守る

ブースで「後日あらためてご連絡します」と伝えている場合、会期後の連絡は約束の履行です。連絡が遅れると、それだけで「対応が遅い会社」という印象を与えかねません。逆に、約束どおり早く連絡が来れば、それ自体が信頼の材料になります。

初動を早くするために会期前に準備すること

初動が遅れる原因の多くは、担当者の怠慢ではなく会期後に段取りを決め始めることにあります。会期前に次の準備を終えておけば、会期直後から動き出せます。

  • お礼メールの文面:ランク別に用意し、差し込む項目(会社名、氏名、話したテーマ)を決めておく
  • データ化の手段と担当:名刺の読み取り方法と、各日の入力担当を決める
  • ランク基準:ブース担当全員が同じ基準で仮判定できるよう共有する
  • 架電トーク:ブースでの会話に触れる冒頭と、商談打診の言い回しを用意する
  • 架電の担当と時間:会期後の数日間、誰が何時間架電するかをカレンダーに確保する
  • 商談枠:フィールドセールスの商談可能日時を、会期後の数週間分押さえておく

見落とされやすいのは「架電する時間の確保」です。会期後は出展の後片付けや社内報告、溜まった通常業務が重なります。架電の時間をあらかじめ予定として押さえておかないと、「今日は時間がなかったので明日」が続き、気づけば1週間が過ぎています。

お礼メールを早く送るために一斉配信の仕組みを使う場合は、送信者情報の表示や配信停止の方法など、特定電子メール法などのルールに沿っているかを確認しておきましょう。名刺交換で得た連絡先の利用範囲についても、詳細は専門家に確認することをおすすめします。

会期直後の数日間の動き方

会期直後の数日は、限られた時間をどこに使うかの判断が重要です。全員に一律で連絡しようとすると、Aランクへの連絡が後回しになります。

  1. 最初にAランクの一覧を確定させる:会期中の仮ランクを見直し、最優先で連絡する相手を決めます。
  2. お礼メールを先に送る:Aランクには個別の一文を加えて送ります。メールで用件が伝わっていると、電話の冒頭がスムーズになります。
  3. Aランクに架電する:メール送付後、時間を置きすぎずに電話します。不在であれば時間帯を変えて再架電し、つながりやすい時間を記録します。
  4. Bランクに進む:Aランクが一巡したら、Bランクの架電に移ります。

Aランクへの架電は、ブースでの会話を思い出してもらう一言から入ります。

「◯◯展の弊社ブースで、◯◯についてお話しさせていただいた件でご連絡しました。その際に、担当からあらためて画面をお見せするお約束をしていたのですが、来週あたりで30分ほどお時間をいただくことはできますでしょうか」

ブースで次回の約束をしていない場合でも、会話の内容に触れることで「一斉の営業電話ではない」ことが伝わります。

連絡が遅れてしまった場合の対処

社内事情で連絡が遅れてしまうこともあります。その場合でも、連絡しないよりは連絡したほうがよいのは明らかです。遅れたリードに連絡する際は、次の点に気をつけます。

  • 展示会名と日付を明確に伝える:相手が思い出せるよう、具体的な手がかりを出します。
  • 遅れたことに簡潔に触れる:長い言い訳は不要です。一言添える程度にします。
  • 相手の状況を先に聞く:時間が経っている分、相手の状況が変わっている可能性があります。いきなり商談を打診せず、まず現状を確認します。

「先月の◯◯展で、弊社ブースにお立ち寄りいただいた件でお電話しました。ご連絡が遅くなり失礼いたしました。その際に◯◯についてご関心をお持ちいただいていたかと思うのですが、その後、検討の状況はいかがでしょうか」

数か月以上前の展示会の名刺が手つかずで残っている場合は、休眠リードとして掘り起こす考え方が向いています。その場合は、展示会の話よりも、相手にとって役立つ新しい情報を入口にするほうが自然です。

初動の速さを振り返るための指標

「早く連絡しよう」という意識だけでは、次の展示会でも同じように遅れてしまいます。初動の速さを毎回記録し、振り返る仕組みをつくることで、少しずつ改善できます。

指標測り方振り返りの観点
データ化完了日全名刺の入力が終わった日会期中に終えられたか。遅れた原因は何か
お礼メール送付日ランク別のメールを送り終えた日文面の準備は間に合っていたか
Aランク初回接触日Aランク全員に一度は電話した日架電時間が確保できていたか
Aランク接続状況本人と話せた件数と、つながらない件数時間帯や連絡手段に工夫の余地はあるか
商談日程の確定までの日数架電から商談日時が決まるまで商談枠を提示できていたか

これらは他社と比べるための数字ではなく、自社の前回の展示会と比べるための記録です。たとえば「データ化に3日かかったので、次回は各日の終わりに入力する担当を置く」「商談枠が足りず日程調整が長引いたので、次回はフィールドセールスの予定を先に押さえる」といった具体的な改善につなげます。

展示会が終わった後の社内報告では、集めた名刺の枚数だけでなく、こうした初動の記録も一緒に共有しておくと、次回の準備の優先順位を決めやすくなります。

外部に任せる場合の考え方

展示会後の初動は、短期間に作業が集中します。社内の人員だけで全件に早く連絡するのが難しい場合は、会期後の一定期間だけ架電を外部に任せるのも選択肢です。

その場合も、ランク基準とブースでの会話メモが委託先に届かなければ、速さを活かした連絡はできません。会期前の段階で委託先と段取りを合わせておくことが、初動を早くする一番の近道です。株式会社リクエッジでは、出展前のフォロー設計から会期後の架電までご相談いただけます。会期日程が決まった段階で、お気軽にお声がけください。

よくある質問

展示会のお礼メールは会期中に送ってもよいですか?

はい、会期中に送っても問題ありません。むしろ記憶が新しいうちに届くため、相手が思い出しやすいという利点があります。ただし複数日の会期では、同じ相手が別の日にも来場する可能性があるため、重複送信に注意してください。

土日をはさむ場合、連絡はいつから始めればよいですか?

お礼メールは会期中または翌営業日に送り、架電は翌営業日以降に行うのが一般的です。休日に業務の電話をかけるのは避けます。週明けは相手も忙しいことが多いため、午前中は避けるなど時間帯を工夫するとよいでしょう。

Cランクのリードにも早く連絡したほうがよいですか?

お礼メールはCランクにも早めに送ります。ただし架電は、AランクとBランクを優先し、Cランクはメールへの反応を見て個別に連絡するのが効率的です。限られた時間を有望な相手から順に使うことが、全体の成果につながります。

何日を過ぎたら展示会リードへの連絡は無意味になりますか?

何日で無意味になるという明確な線はありません。時間が経つほど相手の記憶や関心は薄れますが、連絡しないよりは連絡したほうがよいのは確かです。遅れた場合は、相手の現状を確認するところから始めます。