断り文句への切り返しトーク集|「間に合ってます」「資料送って」への返し方
この記事の要点
- 切り返しトークの目的は断りを覆すことではなく、「受け止める→状況を一つ質問する→次の行動を提案する」の3ステップで、相手の状況を知り次の接点につなげることです。
- 「間に合ってます」には現在の方法を、「資料を送って」には関心のある点を、「予算がない」には検討時期を確認するなど、断り文句ごとに確認すべき情報が異なります。
- 2回断られたら引く、事実と異なることを言わないなど引き際のルールを決め、アポにならなかった会話も記録して次回の架電やメールに生かすことが重要です。
結論:切り返しは「受け止める→質問する→提案する」
架電で断り文句を言われたときの切り返しトークは、断りを覆すための話法ではなく、相手の状況を確認するための質問です。基本の型は次の3ステップです。
- 受け止める:「承知しました」「ありがとうございます」と、相手の言葉をいったん受け入れる
- 状況を一つ質問する:断りの背景にある状況を、答えやすい質問で一つだけ確認する
- 次の行動を提案する:相手の答えに合わせて、面談、資料送付、再連絡など負担の小さい次の一歩を提案する
断り文句の多くは、相手が内容を理解したうえでの判断ではなく、「よく分からない営業電話を早く終えたい」という反射的な反応です。そこで反論すると相手は身構えますが、受け止めてから質問すると、相手が自分の状況を話してくれることがあります。その一言が、アポや次の接点の手がかりになります。
切り返しトークは、私(山崎)が支援の中で特に重視している領域でもあります。アポの数だけでなく、断られた会話から何を持ち帰れるかで、時間あたりの商談数は大きく変わります。
「間に合ってます」「必要ありません」への切り返し
最もよく聞く断り文句です。相手が本当に満足しているのか、反射的に言っているのかは、この時点では分かりません。現在の方法を質問して確かめます。
「ありがとうございます。すでに何かしらの方法で対応されているのですね。差し支えなければ、現在はどのような形で進められているか伺ってもよろしいですか」
相手が「社内の営業でやっている」と答えた場合は、次のように続けます。
「社内の方で対応されているのですね。ちなみに、展示会や問い合わせで入ってきたお客様のフォローまで、十分に手が回っている状況でしょうか」
ここで「そこは正直できていない」という答えが返ってくれば、提案の糸口になります。「問題ない」という答えなら、無理に続けず引きます。
「承知しました。お話を伺えてよかったです。もし今後、体制の見直しなどのタイミングがあれば、情報提供だけでもさせてください。失礼いたします」
「資料を送ってください」への切り返し
「資料を送って」は、丁寧に電話を終えるための言葉であることが多い一方、本当に関心がある場合もあります。どちらかを見極めるために、関心のある点を一つ聞きます。
「ありがとうございます。お送りします。御社に合った資料をお送りしたいので、一つだけ伺えますか。いま新規開拓の中で、一番気になっている点はどのあたりでしょうか」
答えが返ってきたら、それに沿って資料を選び、確認の機会を提案します。
「承知しました。展示会後のフォローの部分ですね。それに近い事例をまとめた資料をお送りします。資料だけだと分かりにくい部分もありますので、お目通しいただいた頃に、15分ほどオンラインで補足させていただくことは可能でしょうか」
相手が面談を断った場合でも、資料送付後に電話をする了承をもらっておきます。
「承知しました。それでは資料をお送りしたあと、来週あたりにお電話で一言だけご感想を伺ってもよろしいですか」
「忙しい」「判断できない」への切り返し
相手が本当に忙しいときに話を続けるのは逆効果です。用件の大きさだけ伝えて、改めて話せる時間を確認します。
「お忙しいところ失礼しました。1分ほどで終わるご案内なのですが、改めてお電話するとしたら、本日の夕方と明日の午前ではどちらがよろしいでしょうか」
日時を二択で示すと、相手は選びやすくなります。日時が決まったら、名前と用件を一言で伝えておきます。
「ありがとうございます。それでは明日の10時ごろに、株式会社○○の△△から、新規商談づくりの件でお電話いたします」
再架電の際は、「昨日お時間をいただくお約束をした件で」と切り出すと、相手も思い出しやすくなります。
「私では判断できない」「上に確認しないと」
この断りは、話の中身には一定の関心がある場合も多い言葉です。判断する方が誰かを確認し、その方を巻き込む形を提案します。
「ありがとうございます。ご判断は部長様などがされるのですね。もしよろしければ、○○様から部長様にお伝えいただく際に使いやすいよう、要点を1枚にまとめた資料をお送りします。あわせて、30分ほどお二人でお話を聞いていただく機会をいただくことは可能でしょうか」
相手に社内説明の負担をかけない工夫を示すと、次の一歩に進みやすくなります。判断者の名前や部署が分かった場合は、記録して次回のアプローチに生かします。
「予算がない」「今は検討していない」「他社を使っている」への切り返し
「予算がない」
「承知しました。今期はご予算の枠が決まっているのですね。ちなみに、来期の計画を立てられるのはいつ頃になりますか。そのタイミングで情報提供だけでもさせていただければと思います」
予算の話は、時期を確認するチャンスです。来期の計画時期を聞ければ、再連絡の理由ができます。
「今は検討していない」
「承知しました。ちなみに、もし見直しを考えられるとしたら、どのようなきっかけがあったときになりそうですか」
きっかけ(人員の減少、新商品の発売、営業体制の変更など)が分かれば、そのタイミングで連絡できます。
「他社を使っている」
「そうでしたか、すでに外部のサービスを活用されているのですね。差し支えなければ、ご利用されていて、ここはもう少しこうだったらいいなと感じる点はありますか」
他社を利用している企業は、課題を認識して予算を使っている企業でもあります。契約の更新時期を聞けると、次の接点につなげやすくなります。
「ちなみに、次の契約の見直しはいつ頃になりそうですか。その前に、比較の材料として情報をお送りしてもよろしいでしょうか」
切り返しの早見表と引き際のルール
| 断り文句 | 確認する情報 | 次の一歩 |
|---|---|---|
| 間に合ってます | 現在の方法と、手が回っていない部分 | 課題があれば面談、なければ引く |
| 資料を送って | 一番関心のある点 | 資料送付+補足の面談か再架電 |
| 忙しい | 話せる日時 | 日時を決めて再架電 |
| 予算がない | 来期の計画時期 | 時期に合わせた情報提供 |
| 今は検討していない | 見直しのきっかけ | きっかけに合わせた再連絡 |
| 他社を使っている | 不満点と更新時期 | 更新前の比較情報の提供 |
引き際のルール
- 2回断られたら引く:切り返しは1回まで。2回目の断りには感謝を伝えて終える
- 事実と異なることを言わない:「皆さん導入されています」など根拠のない話はしない
- 相手の言葉を否定しない:「でも」「いや」で始めない
- 強い拒否には即座に謝って終える:「今後連絡しないで」と言われたら記録し、架電対象から外す
アポにならなかった会話も、確認できた情報(現在の方法、予算時期、更新時期など)と断り理由を必ず記録します。断り理由が分類されて蓄積されると、ターゲットやスクリプトの見直しに使えます。
外部に任せる場合の考え方
切り返しトークは、商材やターゲットによって効く言い回しが変わります。外部に任せる場合は、切り返しの例をスクリプトに明記してもらい、録音で実際の使われ方を確認できる体制を選ぶことをおすすめします。
株式会社リクエッジは、切り返しトークとリードの見極めによって、時間あたりの商談数を最大化する設計を強みとしています。料金は目安として、設計・スクリプト作成10万円〜/一式、架電実行3,500円〜/時間(月40時間〜)、商談創出パッケージ10万円〜/月+アポ1件1.5万円〜です(税別・個別見積り)。IT(IoT・ネットワーク)や人材(派遣・転職・RPO)の業界知識を生かした切り返しの設計も可能です。
よくある質問
切り返しトークは何回まで使ってよいですか?
1回の電話で切り返すのは1回までを目安にし、2回断られたら感謝を伝えて終えるのがおすすめです。何度も食い下がると相手の印象が悪くなり、将来の接点も失います。確認できた情報を記録して、次の機会につなげましょう。
「資料を送って」と言われたら、資料だけ送ればよいですか?
資料を送ることは了承しつつ、一番関心のある点を一つ確認し、送付後に補足の面談か電話をする了承をもらうのがおすすめです。資料だけ送って終わると、読まれないまま関係が途切れることが多くなります。
切り返しが押し売りのように聞こえないか心配です。
相手の言葉を受け止めてから質問するという順番を守れば、押し売りの印象は避けられます。反論や説得ではなく、相手の状況を知るための質問だと意識してください。録音を聞き返して、語尾や間の取り方を確認するのも効果的です。
「今後連絡しないでください」と言われたら?
すぐに謝罪して電話を終え、架電記録に残して対象から外します。社内やチームで共有し、別の担当者が再度かけてしまうことのないようにします。連絡に関する法令上の扱いについては、一般論として把握し、詳細は専門家に確認してください。