電話とメールを組み合わせたアプローチ設計|順番・間隔・文例と注意点
この記事の要点
- 電話とメールを組み合わせるときは、電話を「会話して状況を聞く手段」、メールを「記録を残し、相手の都合で読んでもらう手段」と役割を分けて設計すると、互いの弱点を補えます。
- アプローチは、リードの種類(問い合わせ・資料請求・接点なしなど)ごとに、電話とメールの順番・間隔・回数・終了条件を事前に決めておくと、担当者によるばらつきを防げます。
- 営業目的のメールは特定電子メール法などの規律を受けるため、送信先の同意や送信者情報の表示、配信停止の方法を一般的なルールとして整え、詳細は専門家に確認することが大切です。
結論:電話とメールは「役割分担」と「順番」で設計する
電話とメールを組み合わせたアプローチの基本は、それぞれの役割を分け、どの順番で、どれくらいの間隔で使うかを事前に決めておくことです。電話だけ、メールだけのアプローチには、それぞれ弱点があります。電話は相手の都合に関係なく割り込むため、つながらないことが多く、つながっても話した内容が相手の手元に残りません。メールは相手の都合で読んでもらえる一方、多くのメールに埋もれやすく、相手の状況を聞くことはできません。
この2つを組み合わせ、「電話で話した内容をメールで残す」「メールで予告してから電話する」といった流れをつくると、互いの弱点を補えます。大切なのは、担当者がその場の判断で使い分けるのではなく、リードの種類ごとに流れを決めておくことです。
電話は「会話して状況を聞く」、メールは「記録を残し、相手の都合で読んでもらう」。役割を分けると、それぞれに書くべき・話すべき内容がはっきりします。
電話とメールの役割の違い
| 観点 | 電話 | メール |
|---|---|---|
| 得意なこと | 相手の反応を見ながら質問し、状況や温度感をつかむ | 日時・資料・要点を正確に残し、社内で共有してもらう |
| 苦手なこと | 相手の都合に関係なくかかるため、つながりにくい。内容が残らない | 埋もれやすい。一方通行で、相手の状況が分からない |
| 向いている場面 | ヒアリング、日程調整、断られた理由の確認 | 電話の予告、電話後のお礼と要約、資料送付、日程確定の連絡 |
| 書く・話す内容 | 短い用件と質問。説明は最小限 | 件名で用件が分かる短い本文。1通に1つの目的 |
また、相手の働き方によって、どちらが届きやすいかも変わります。外出や在宅勤務が多い相手は代表電話ではつかまりにくく、メールのほうが目に留まりやすいことがあります。反対に、現場に出ていてメールをあまり確認しない相手には、電話のほうが確実です。会話の中で「ご連絡はお電話とメールのどちらがよろしいですか」と一言聞いておくと、その後の流れを相手に合わせられます。
この違いを踏まえると、メールで長い説明をして電話で同じ説明を繰り返す、といった重複を避けられます。メールは「次の電話で話す理由」をつくり、電話は「メールで送る内容」を相手に合わせて決める、という関係が理想です。
リードの種類別のアプローチ設計例
アプローチの順番や間隔は、相手との接点の深さによって変えます。以下は設計の考え方の例です。日数は自社の商材や相手の検討の進み方に合わせて調整し、結果を見ながら見直してください。
問い合わせ・デモ依頼(関心が高いリード)
- 当日中:電話で連絡し、問い合わせ内容を確認して日程調整
- 電話の直後:お礼と要点、日程の候補をメールで送付
- つながらなかった場合:問い合わせへのお礼と、日程候補を書いたメールを送り、翌営業日に再度電話
資料請求・セミナー参加(情報収集段階のリード)
- 当日〜翌営業日:資料送付やお礼のメール
- 数日以内:電話で、関心を持った理由と現状を確認
- 電話の後:会話の内容に合わせた補足資料をメールで送付
- その後:検討の時期に合わせて、再度電話する日を決める
接点のない企業(新規開拓)
- まずは代表番号への電話で担当部署を確認
- 担当者と話せたら、要点と資料をメールで送付
- 担当者の連絡先が分からない場合は、無理にメールアドレスを探さず、電話で再アプローチ
どの場合も、何回連絡して反応がなければいったん止めるかという終了条件を決めておきます。終了条件がないと、反応のない相手に連絡を続け、時間を使うだけでなく相手の印象も悪くします。止めた相手は、時期を置いて情報提供の対象に回します。
電話とメールをつなぐ文例
電話の後に送るメール
件名:「本日のお電話のお礼と、月末処理の改善事例のご送付」
「本日はお忙しいところ、お電話でお時間をいただきありがとうございました。お話しいただいた、月末に請求書の確認作業が集中しているという点について、同じような状況の会社さまで取り入れられている方法をまとめた資料をお送りいたします。来週の火曜日に、ご覧いただいたご感想を伺うお電話を改めて差し上げてもよろしいでしょうか。」
電話がつながらなかった後に送るメール
件名:「資料請求いただいた件のご連絡」
「先日は資料をご請求いただきありがとうございました。本日お電話を差し上げましたが、ご不在とのことでしたので、メールにてご連絡いたしました。資料の内容について、特に気になっている点があれば、このメールにご返信いただくか、ご都合のよいお時間をお知らせください。」
メールの後にかける電話
「お忙しいところ失礼いたします。株式会社◯◯の田中です。先日、月末処理の改善事例の資料をお送りした件でお電話しました。1分ほどよろしいでしょうか。」
「ご覧いただけましたでしょうか。もしまだでしたら、要点だけお伝えしますと…」
メールを送った後の電話では、「メールをご覧になりましたか」と確認するだけで終わらないようにします。相手が読んでいない前提で、要点を一言で伝えられるようにしておくと、会話が止まりません。
メール送信時の注意点(特定電子メール法など)
営業目的のメールを送る場合は、法律や規制への配慮が欠かせません。ここでは一般論として、押さえておきたい考え方を整理します。
- 送信先の同意や関係性:日本では、広告・宣伝を目的とした電子メールの送信について、特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)が定めています。原則として、あらかじめ同意を得た相手などへの送信に限られる考え方が取られています。名刺交換や問い合わせなど、どのような接点があれば送信できるかは条件があるため、自社の運用が適切かを確認する必要があります。
- 送信者情報の表示:送信者の名称や連絡先などの表示が求められます。メールの署名やフッターのひな形を整えておきます。
- 配信停止の方法:受信を拒否する方法を示し、拒否の意思表示があった相手には送らないようにします。電話で「メールは不要」と言われた場合も、記録に残して以降の送信対象から外します。
- 個人情報の扱い:メールアドレスや担当者名は個人情報に当たる場合があり、取得や利用の目的に注意が必要です。
ここで紹介した内容は一般的な考え方であり、個別の運用が法律に適合するかどうかは、専門家に確認してください。特に、外部から入手したリストへのメール送信や、一斉配信を行う場合は、事前の確認をおすすめします。
効果を確認するための記録
電話とメールを組み合わせたアプローチの効果を確認するには、電話とメールの履歴を同じ場所に記録し、どの流れで商談につながったかを追えるようにしておきます。電話の記録は架電リスト、メールの記録はメールソフト、と分かれていると、どちらが効いたのか分からなくなります。
記録しておきたい項目は、次のとおりです。
- 連絡の日時と手段(電話・メール)
- 電話の結果区分(不在、担当者と会話、再架電予定など)
- メールの目的(お礼、資料送付、日程調整など)と、返信の有無
- 相手から得た情報(課題、時期、関係者)
- 次のアクションと予定日
- メール不要・連絡不要の意思表示の有無
最後の項目は、法令対応の面でも、相手との関係を保つ面でも重要です。電話の担当者とメールの送信者が別の場合でも、同じ記録を見て判断できるようにしておきます。
見るべき点は、メールの後に電話をした場合と、電話だけの場合とで、担当者と会話できた割合や、会話の進みやすさに違いがあるかどうかです。結果は商材やリードの種類によって異なるため、自社の記録で比べて流れを調整していきます。
外部に任せる場合の考え方
電話とメールの両方を外部に任せる場合は、どの名義でメールを送るのか、配信停止の連絡を誰がどう受けるのか、といった運用の責任範囲を事前に決めておくことが大切です。
株式会社リクエッジでは、架電とあわせて、電話の前後に送るメールの文面や流れの設計も支援しています。費用は内容に応じた個別見積りです。
よくある質問
電話とメールはどちらを先にするべきですか?
リードの種類によって変わります。問い合わせなど関心が高いリードはまず電話で状況を確認し、資料請求など情報収集段階のリードは先にメールで資料を送り、その後に電話する流れが組みやすいでしょう。
メールを送っても返信がない場合はどうすればよいですか?
返信がないことは珍しくないため、メールの後に電話で要点を伝える流れを組んでおくのが効果的です。何度連絡しても反応がない場合は、事前に決めた終了条件に従っていったん止め、時期を置いて再アプローチします。
名刺交換をした相手には営業メールを送ってもよいですか?
特定電子メール法では、名刺交換などの一定の関係がある場合の扱いについて定めがありますが、条件があります。自社の運用が適切かどうかは、専門家に確認することをおすすめします。
メールの件名で気をつけることはありますか?
件名だけで用件と自分との関係が分かるようにすることが大切です。「◯◯のお電話のお礼」「資料請求いただいた件」など、相手との接点を件名に入れると、ほかのメールに埋もれにくくなります。