展示会リードのフォロー

展示会リードへの架電トーク例|受付から商談打診・切り返しまで

執筆:山崎 陸(株式会社リクエッジ 代表取締役) ・ 公開

この記事の要点

  • 展示会リードへの架電は、冒頭で「展示会名・ブース・話した内容」を具体的に伝え、一般的な営業電話ではないとわかってもらうことから始めます。
  • 本人とつながったら、すぐに商談を打診せず、ブースで聞いた課題の「その後」を一つ二つ確認してから、相手の状況に合った次の一歩を提案します。
  • 「覚えていない」「資料だけで十分」「情報収集だった」といった反応にも、それぞれ準備した切り返しを用意しておくと、会話を次につなげやすくなります。

結論:展示会リードへの架電は「接点の確認→現状確認→次の一歩」の3段階

展示会リードへの架電は、通常の新規開拓の電話とは違い、すでに一度会っている相手への電話です。その強みを活かすために、トークは次の3段階で組み立てます。

  1. 接点の確認:展示会名、ブース、話した内容を伝え、思い出してもらう
  2. 現状の確認:ブースで聞いた課題について、その後の状況を伺う
  3. 次の一歩の提案:相手の状況に合わせて、商談・デモ・資料・再連絡のいずれかを提案する

よくある失敗は、冒頭で展示会のことに軽く触れただけで、すぐに製品説明や商談打診に入ってしまうことです。相手はまだブースでの会話を思い出しきれていないため、通常の営業電話と同じように警戒されます。まず相手に思い出してもらい、相手の話を聞いてから提案する、という順番を崩さないことが大切です。

以下、受付から本人への冒頭、ヒアリング、日程打診、切り返しまで、そのまま使えるトーク例を紹介します。◯◯の部分はブースでの会話メモに合わせて差し替えてください。

受付を通過するトーク

展示会リードは名刺の情報があるため、本人の氏名と部署を指定して取り次ぎを依頼できます。「展示会でお会いした」という事実を簡潔に伝えると、取り次いでいただきやすくなります。

「お世話になっております。株式会社◯◯の◯◯と申します。先日の◯◯展で、◯◯部の◯◯様に弊社ブースへお立ち寄りいただきまして、その際にお約束していたご連絡でお電話いたしました。◯◯様はいらっしゃいますでしょうか」

受付で用件を詳しく聞かれた場合は、次のように答えます。

「展示会で◯◯様にご覧いただいた◯◯について、ご案内のご連絡です」

不在の場合は、戻り時間を伺い、受付の方のお名前も確認しておきます。

「承知しました。何時頃お戻りのご予定でしょうか。……ありがとうございます。では◯時頃にあらためてお電話いたします。恐れ入りますが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか」

「お約束していたご連絡」と言えるのは、ブースで「後日ご連絡します」と伝えている場合だけです。約束していない相手に使うと事実と異なるため、その場合は「ブースにお立ち寄りいただいたお礼とご案内で」と言い換えます。

本人につながったときの冒頭とヒアリング

冒頭:接点を具体的に伝える

「お世話になっております。株式会社◯◯の◯◯です。先日の◯◯展で、弊社ブースにお立ち寄りいただいた件でお電話しました。今、2〜3分ほどお時間よろしいでしょうか」

(了承を得たら)

「ありがとうございます。ブースでは、◯◯の管理を今は表計算ソフトで回されていて、担当の方が変わるたびに引き継ぎが大変だ、とお伺いしていました。その後、そのあたりはいかがですか」

ブースで聞いた課題を相手の言葉に近い形で繰り返すのがポイントです。相手は「ちゃんと覚えていてくれた」と感じ、話しやすくなります。

ヒアリング:一つ二つに絞る

電話で聞く項目は欲張らず、次の一歩を決めるのに必要なことに絞ります。

  • 「その課題について、社内で何か見直しのお話は出ていますか」
  • 「もし進めるとしたら、どなたが中心になってご検討されそうでしょうか」
  • 「時期としては、いつ頃までに何とかしたい、というイメージはありますか」

すべてを聞き出そうとせず、相手の答えに合わせて自然に深めます。詳しいヒアリングは、商談の場でフィールドセールスが行えば十分です。

相手の状況別:次の一歩の打診トーク

ヒアリングの結果に合わせて、提案する次の一歩を変えます。

相手の状況提案する次の一歩
課題がはっきりしていて、見直しの話が出ている商談・デモの日程打診
課題はあるが、時期は未定短時間の情報交換、または事例の紹介
今は検討予定がない資料送付と、時期を決めた再連絡の了承
担当外だった担当部署・担当者の紹介依頼

商談・デモの日程打診

「ありがとうございます。お話を伺っていると、◯◯の部分は弊社の仕組みでお役に立てる可能性があると思います。ブースでは時間が限られていたので、あらためて実際の画面を使って、貴社の運用に合わせた形で30分ほどご説明させていただけないでしょうか。来週ですと◯日の午後か、◯日の午前でご都合いかがでしょうか」

候補日は2つ程度に絞って具体的に提示します。「いつがよろしいですか」と聞くと、相手は予定を確認する手間がかかり、「確認してまた連絡します」で止まりやすくなります。

時期未定の相手への打診

「今すぐのご検討でなくても構いません。同じような課題をお持ちの企業がどのように進めているか、15分ほどで情報交換させていただくのはいかがでしょうか。ご検討の材料にしていただければと思います」

検討予定がない相手

「承知しました。では、ブースでご覧いただいた内容をまとめた資料をメールでお送りしておきます。◯月頃に、状況が変わっていないかだけ一度ご連絡してもよろしいでしょうか」

日程が決まった後のクロージング

日程が決まったら、電話を切る前に次の3点を確認します。ここを曖昧にすると、当日のキャンセルや、商談の場で話がかみ合わない原因になります。

「ありがとうございます。では◯月◯日◯時から30分、オンラインでお時間をいただきます。当日は、ブースでお伺いした◯◯の管理の件を中心に、実際の画面でご説明する予定です。◯◯様のほかに、ご同席いただく方はいらっしゃいますか。……承知しました。このあと招待のメールをお送りしますので、ご確認をお願いいたします」

  • 日時と形式(オンラインか訪問か)
  • 当日の議題(相手の課題に沿った内容であること)
  • 同席者(決裁に関わる方が参加するか)

確認した内容は、フィールドセールスへの引き継ぎ情報としてそのまま記録しておきます。

展示会リード特有の反応への切り返し

「どこのブースでしたっけ」「覚えていないです」

「多くのブースを回られていたと思いますので、無理もないです。◯◯のコーナーで、◯◯の画面をご覧いただいた会社です。◯◯の管理についてお話を伺いました」

思い出してもらえなくても、責めるような言い方は避け、具体的な手がかりを足します。それでも思い出せない場合は、展示会の話にこだわらず、課題の確認に進みます。

「資料だけ送ってください」

「承知しました、すぐにお送りします。ちなみに、資料の中でも特にどのあたりをご覧になりたいか伺えますか。◯◯のところでしたら、貴社に近い事例も一緒にお付けできます」

資料送付で終わらせず、関心の中身を一つ確認します。送付後の確認の電話の了承も、このタイミングで得ておきます。

「情報収集で行っただけなので」

「ありがとうございます。情報収集の段階でお電話してしまい失礼しました。差し支えなければ、どのようなテーマで情報を集めていらっしゃったか伺ってもよろしいですか。今後、お役に立ちそうな情報があればお送りしたいと思いまして」

「担当ではないので」

「そうでしたか、失礼しました。ブースで◯◯のお話を伺っていたので、もしよろしければ、実際にご担当されている部署の方をご紹介いただくことはできますでしょうか。◯◯様からご紹介いただいた、とお伝えしてもよろしいですか」

より一般的な断り文句への対応は、切り返しトークを扱った記事も参考にしてください。

外部に任せる場合の考え方

展示会リードへの架電は、ブースでの会話メモをどれだけ活かせるかで成果が変わります。外部に任せる場合は、名刺データだけでなく、ランクと会話メモを必ず共有し、それをもとにトークを個別に調整できる体制かを確認しましょう。

株式会社リクエッジでは、パイプラインを最大化するためのスクリプト設計と切り返しトークづくりを強みとしています。展示会の出展内容に合わせたトーク作成から架電の実行まで、目安として設計・スクリプト作成10万円〜/一式、架電実行3,500円〜/時間(月40時間〜、税別、個別見積り)でご相談をお受けしています。

よくある質問

展示会リードへの架電は、何回まで電話してよいですか?

明確な回数の決まりはありませんが、不在が続く場合は時間帯や曜日を変えて試し、一定回数でメールに切り替えるなど、社内でルールを決めておくのがおすすめです。本人から連絡不要と言われた場合は、その時点で連絡を止めます。

ブースでの会話メモがない名刺には、どう話せばよいですか?

会話の内容に触れられない分、「◯◯展で名刺を交換させていただいた」と事実を伝えたうえで、どのようなテーマで来場されたかを伺うところから始めます。相手の関心を聞き出してから、合った情報を提案する流れにします。

電話で製品の説明はどこまでしてよいですか?

電話での説明は、相手の課題に関係する部分を一言二言に絞るのがおすすめです。詳しい説明は商談やデモの場で行うほうが、相手にとってもわかりやすく、電話の時間も短く済みます。

留守番電話につながった場合はどうすればよいですか?

社名、氏名、展示会でお会いした件であることを簡潔に残し、あらためて電話することを伝えます。折り返しを強く求めるより、こちらから再度かける前提にしたほうが相手の負担になりません。